【寄稿記事】年収いくらから資産管理会社を検討すべきか

投稿者: | 2017年10月9日

2017年10月9日、所長井上が取材を受けましたので、ご案内いたします。ぜひご一読ください。


会社員でもつくれる「資産管理会社」、

家賃など経費に…年収いくらから検討すべき?


節税のために作られる「資産管理会社」。
いろいろなものを経費にでき、家族も役員にできるなど、お得な点がたくさんあるようだ。一方で、所得税と法人税の税率の違いから、誰でも有利になるわけではないという。
サラリーマンが資産管理会社を作るとしたら、年収いくらぐらいから検討すべきなのだろうか。井上大輔税理士に聞いた。

●資産管理会社…節税のメリットこんなに

資産管理会社を使った節税で、大きなメリットの1つに経費算入があります。
例として以下のようなものがあげられます。
会合での食事代(会議費)、パソコンやプリンターなどの備品・消耗品費、生命保険、不動産投資の際の土地取得分の借入金利息など。 このほか、株主総会や投資セミナーなどへの旅費交通費(旅費規程等があれば日当も出せます)も必要経費にできます。

また、毎月払う家賃も、資産管理会社を設立すれば社宅扱いとすることで、経費にすることができます。
一般的には、家賃のうち最大で85%程度を会社の経費にすることが可能です。
加えて、役員にした家族に給料を払い、所得を分散することで、節税が可能です。
ただし、業務にまったく関与していなかったり、取締役会などの重要な会議に出席していなかったりして、勤務実態が認められない場合には、 税務署から給与はなかったものとして否認される可能性もあるので注意しましょう。

ーー資産管理会社の「社長」、すなわち本人が亡くなった場合、相続はどうなる?
社長が亡くなった場合には、速やかに後任の社長を探す必要があります。資産管理会社の場合は亡くなった社長の配偶者や子供などが就任することが一般的です。
また、個人財産の場合には資産の所有権が移るため、その際に相続税が発生します。
一方、資産管理会社の場合は、社長が亡くなっても法人が所有している財産は引き続き法人が所有することになるので、相続税は発生しません。
ただし、資産管理会社の株主(出資者)が社長であった場合には、その株式(出資権利)の相続が発生し、相続税が発生することに留意したいところです。

●資産管理会社設立の目安は、少なくとも年収700万以上

ーー資産管理会社はサラリーマンでもつくれる?
株式会社や合同会社など形態は様々ですが、一般的な形式なら法務局へ登記すれば、誰でも(※)設立できます。設立する手続きは複雑なので、専門家へ委託するのが早くて便利です。
しかし、サラリーマンの場合は、本業の会社の就業規則などはよく確認しておきたいですね。
副業が禁止されている場合、不動産賃貸や株式などの売買は認められていても、他の会社(資産管理会社)から給料をもらうことは認められないケースが多いからです。 副業でうまくいっても、本業で躓いては本末転倒でしょう。
また、副業がない人には、メリットがないので辞めておいたほうがいいです。

(※)成年被後見人や会社法違反などで罪を犯したことがある場合など、稀に取締役に就任できない場合もあるが、設立すること自体は可能です。 該当する場合には専門家に確認してください。

ーー資産管理会社を設立するとしたら、年収どのくらいからが検討対象になる?
サラリーマンが資産管理会社の検討をする年収は、事業内容や社会保険の状況などにより様々です。
ただ、15%~55%の所得税率(住民税含む)と、21%程度~35%程度の法人税率(こちらも住民税等含む)の有利・不利が入れ替わるのは、 副業と合わせて年収700万円程度となるケースが多いのではないでしょうか。
もちろん、所得税と法人税以外にも、社会保険料や設立費用なども考慮した上で、資産管理会社を作るかどうか検討して頂きたいと思います。

記事掲載元:

会社員でもつくれる「資産管理会社」、家賃など経費に…年収いくらから検討すべき?
(税理士ドットコムトピックス)より 

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